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弁護士コラム:【遺産相続】遺留分侵害額の計算

2020.11.15
1 はじめに

相続法改正により遺留分権利者の権利の呼称は遺留分減殺請求から遺留分侵害額請求に変わりました(これについては「相続法改正・遺留分減殺請求→遺留分侵害額請求」をご参照ください。)。
今回は,遺留分侵害額請求について具体例をもとに説明します。

2 具体例

被相続人は自動車販売・整備業Aを営んでいました。
Aは地元の自動車屋さんとして地域の方から警察などの公共機関まで幅広く親しまれており、経営状況は極めて順調でした。
もっとも被相続人には悩みがありました。
それは跡取りがいないこと、病気のことでした。
被相続人には子供が2人いましたが、2人とも娘で、サラリーマンの夫と結婚したので、親族の跡取りはいませんでした。
また、被相続人は重病を患い、余命宣告を受けていました。

ところで、被相続人には、遺産として、自宅(評価額3000万円)、Aの工場兼事務所(評価額2000万円)、売掛金(1000万円)、地元銀行からの借入金(1000万円)がありました。
被相続人は、Aをなんとか存続したいとの思いから、長年右腕として働いてきたBにAの経営を続けてもらうことにしました。
そこで被相続人はAの税金申告をお世話になっている税理士にも相談して、遺言書を作成することになりました。
遺言書は「Bに工場兼事務所と売掛金を遺贈する」という内容でした。
また、被相続人は妻に対して生計維持のため1000万円を生前贈与しました。
被相続人は、遺言作成および生前贈与の半年後、病状が急変し、亡くなりました。
妻は、被相続人の亡くなった後、遺言書の存在に気付き、Bに対して遺留分侵害額請求をしようと考えました。妻は遺留分侵害額請求をすることはできるでしょうか?

3 妻の遺留分侵害額

まず、遺留分算定のための基礎財産は、相続財産額+贈与額ー債務額となります。
よって、(3000万円+2000万円+1000万円)+1000万円(贈与額)ー1000万円=6000万円となります。

次に、個別的(具体的)遺留分侵害額は、基礎財産×2分の1×遺留分権利者の法定相続分ー(遺留分権利者が受けた遺贈又は特別受益+寄与分を考慮しない具体的相続分に基づき算定した遺留分権利者が取得する遺産)+遺留分権利者が承継する債務となります。

まず妻の個別的遺留分額は、6000万円×2分の1×2分の1=1500万円となります。

また妻が受けた特別受益は1000万円になります。

そして妻が受けた寄与分を考慮しない具体的相続分は7000万円×2分の1ー1000万円=2500万円となります。
他方で娘二人はそれぞれ1750万円となります。

そうすると遺産である自宅は3000万円について、妻が具体的相続分に基づき取得する遺産は、3000万円×(2500万円÷7000万円)=約1071万円となります。

最後に妻が承継する債務は500万円になります。

以上をまとめると、妻の遺留分侵害額は、1500万円ー1000万円ー1071万円+500万円=ー71万円となります。
よって妻はBに対して遺留分侵害額請求をすることはできません。

4 最後に

以上、遺留分侵害額請求についてご説明しました。
お困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。

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