弁護士コラム:【離婚】不倫した妻からの婚姻費用の請求

1 はじめに

妻が子供を連れて別居した場合、妻は夫に対して婚姻費用分担請求を行うことができます(妻が夫よりも収入が少ないことが前提となります)。
婚姻費用の額に争いがあれば、調停、調停で決まらなければ審判で決着することになります。

では別居した原因が妻側の不倫(不貞)にある場合、夫は妻からの婚姻費用分担請求に対し妻の分まで支払わないといけないのでしょうか。

ここでの問題意識は、妻側の不倫が証拠上明らかである場合(例えばラブホテルから一緒に出てきた姿を撮影した興信所の調査報告書がある場合)、妻が夫に対して自身の生活費までみなさいと求めるのは、不倫をしておきながら都合が良すぎるのではないか、あるいは、夫は不倫されて出ていった妻の生活費まで面倒をみなければいけないとするのはあまりにも酷ではないかという素朴な疑問にあります。

 

2 裁判例

裁判例では、不倫した妻側が自身の生活費分を婚姻費用として請求することは権利濫用にあたり、あるいは信義則に反して認められないとする例が出てきています。
もっとも、権利濫用とした裁判例は、妻側が不倫したことが証拠上明らかな場合になります。

今後、夫は、例えば妻と不倫相手がラブホテルに入退室する場面の写真を取得していれば、妻の分の婚姻費用の支払いを拒否することができます。
もっとも、不倫したことが証拠上明らかではない場合、例えば二人が親密そうに車内で話している写真にとどまるのであれば、不倫があったとは言えないので、妻側の婚姻費用の支払いを免れることは難しいでしょう。

もっとも、明確な不貞の証拠がない場合、不貞の有無は、離婚訴訟において争われるべき問題であはら、簡易迅速に審理するべき婚姻費用の審理になじみません。そのため、婚姻費用の審理では、通常は不貞の有無の論点は取り上げられないことになります。

 

3 最後に

以上、不倫した妻側からの婚姻費用分担請求についてご説明しました。
お困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。

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執筆者

弁護士法人イーグル法律事務所 代表弁護士
神戸・明石を拠点に、誰もが気軽に相談できる法律事務所を目指します。
特に年間200件以上の相談実績がある「交通事故」問題や、「相続・遺言」「債務整理」の分野に豊富な経験と実績があります。その他、企業法務から離婚、刑事事件まで幅広く対応。専門家の立場から、皆様のお悩みを解決するために正確で分かりやすい情報をお届けします。

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