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弁護士コラム:【交通事故】事故後減収がない場合の後遺症逸失利益

2021.05.23
1 金沢地裁令和元年12月20日判決(自保ジャーナル2085号81頁)

事故後減収がない会社員の後遺症逸失利益が問題となりました。
差額説からすれば,事故後減収がない場合は後遺症逸失利益は認められないことになりそうです。
しかし,裁判例の多数は純粋な差額説は取っておらず、様々な要素を考慮して,後遺症逸失利益を認めています。
金沢地裁判決でも、事故後減収がないことは本人の努力によるものであると認定され、後遺症逸失利益が認められました。

 

2 考慮要素

では,事故後減収が無い場合,どのような考慮要素のもとで後遺症逸失利益を認めているのでしょうか。
一般的には,①昇進・昇給に影響があったこと(将来そのおそれがあること),②業務への支障,③退職・転職したこと,④本人の努力,⑤周囲の協力(職場の配慮),⑥日常生活の支障,⑦将来の減収のおそれ,将来の不利益が考慮されています。
裁判例では以上の考慮要素のうち,②,④,⑤が考慮されることが多いとされています。
④本人の努力とは,例えば業務上の工夫,トレーニング,リハビリや通院,休日出勤といったことが考えられます。

実際に,後遺障害14級の自営業者の方で,差額説を前提にすると損害が認められない事例において,②④を主張立証したことにより後遺症逸失利益が認められました。詳しくは,弁護士コラム:【交通事故】減収がない場合でも後遺症逸失利益を獲得した事例をご確認ください。

 

3 事故後減収がなかったことが明らかになった理由と対策の必要性

ちなみに,金沢地裁の判決では、事故後減収がなかったことが本人尋問で明らかになったようです。
原告側からすれば、このことは不利な事実ですから、敢えて本人尋問で明らかにすることしないはずです。そうすると被告側が反対尋問で原告に尋問し、原告側が「事故後減収はありませんでした」と回答したため、被告側が最終準備書面でその旨指摘したものと思われます。
最終的には事故後減収がなくても後遺症逸失利益は認められましたが、原告側からすれば被告側から反対尋問で質問される可能性があることも想定して、事前に対策を取っておく必要があると思われます。

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