1 はじめに
調停や審判で面会交流の取り決めがなされたにもかかわらず実現しない場合、非監護親は面会交流の実現のためにどのような方策を採ることができるかについて説明します。
2 履行勧告
履行勧告とは,家庭裁判所調査官から監護親に対して面会交流を実施するよう働きかけてもらう制度です。
このように,あくまで働きかけにすぎませんので、監護親が応じなければ実効性はありません。履行勧告が功を奏さなかったので、3以下の手続に発展することもあります。
3 間接強制
間接強制とは,監護親が面会を実施しなかったら不実施1回あたり◯円を支払う義務を新たに課す手続になります。
裁判所に対する申立てが必要となります。前提として、面会頻度、場所、受渡方法などが明確に定まっていないと間接強制は認められませんので,注意が必要です。
実際のケースでは,間接強制の申立てによりかえって面会交流の実現が困難になったケース、間接強制金が支払われずに面会交流が実現されないケースも散見されるようです。そのため,間接強制を申し立てる際には慎重に検討することになります。
間接強制について詳しくは、別記事弁護士コラム:【離婚問題】面会交流審判等に基づく間接強制をご確認ください。
4 2回目の面会交流調停申立て
相手方が面会交流調停に出席しなければ審判に移行することになります。
5 慰謝料請求
実際に認められた裁判例もあります。
6 親権又は監護権の指定・変更の審判・調停
いったん決まった親権者や監護権者を変更することはかなりハードルが高いと思われますが、手段の一つといえます。監護者の指定については、弁護士コラム:【離婚問題】子の監護者指定についてをご確認ください。