1 はじめに
離婚した後、ひとり親は、児童扶養手当等の公的給付のほか、非親権者からの養育費をもらいながら,子の監護をしていくことになります。そのため、ひとたび養育費の不払いが生じると生活ができなくなってしまいます。しかし、現状、養育費の支払いを再開してもらうことは時間と手間がかかるといえます。
2 家事調停
親権者は,離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合、家庭裁判所に養育費に関する調停を申し立てることができます。しかし、平均審理期間は5か月ほどかかるといわれていますので、解決までに時間がかかるといえます。
3 強制執行の問題点
親権者は,調停で養育費の取り決めがなされたにもかかわらず支払いがない場合、裁判所の強制執行手続を利用することができます。具体的には,まずは裁判所から相手方に履行勧告をしてもらい、それでも結果が伴わなかった場合に強制執行手続に移行することとなります。
もっとも、強制執行の前提として、ひとり親が相手方の住所や財産を把握することが求められます。これは負担が大きいといえ、強制執行手続の利用を躊躇する要因の一つとなっています。
なお、履行勧告については、別記事の弁護士コラム:【養育費】履行勧告についてをご確認ください。
4 最後に
以上、養育費の不払いを解消するための制度は不十分といわざるを得ないので、法制度の見直し、公的制度の拡充など多方面から検討がなされています。お困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。