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弁護士コラム:「相続法改正・配偶者居住権③」

2020.08.26

今回も配偶者居住権が認められるための条件について説明していきます。

テーマはいわゆる相続させる旨の遺言によって配偶者居住権を取得することができるのかという問題です。

配偶者居住権が認められるための条件について

弁護士法人イーグル法律事務所
配偶者居住権は,被相続人が配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割,遺贈又は死因贈与をすることによって発生します(民法第1028条第1項)。相続させる旨の遺言は遺産分割方法の指定と解されていますので,遺贈には含まれません。よって,相続させる旨の遺言によって配偶者居住権を発生させることは出来ません。
では,なぜ改正相続法では相続させる旨の遺言を除外したのでしょうか。これは配偶者が配偶者居住権の取得を希望しない場合に不都合が生じるからです。

 

まず,遺贈と相続させる旨の遺言は,被相続人が一方的に意思により相続人に遺産を権利移転する点で共通しています。つまり,被相続人は相続人の意向に関係なく一方的意思表示により相続人に権利移転をすることになるので,相続人はその権利移転を望まない場合もあると思われます。配偶者居住権に則して説明すれば,例えば配偶者は被相続人の死後は住み慣れた住居を離れて別のマンションで暮らすことを企図していた場合,配偶者は配偶者居住権の取得を望まないと思われます。

 

配偶者が権利移転を望まない場合,遺贈であれば,遺贈の放棄をすることになります。遺贈の放棄の効果は,その特定の権利移転の効果が無くなるだけで,相続人の地位まで喪失するわけではありません。一方で,相続させる旨の遺言であれば,相続放棄をすることになります。相続放棄の効果は,一切の権利義務を承継しない,つまり相続人の地位を喪失することになります。

 

以上から,配偶者において配偶者居住権の取得は望まないが他の遺産は取得したい場合,相続させる旨の遺言であれば相続放棄せざるを得なくなり,他の遺産も取得できないことになりますので,一方配偶者の生活保障を損なうことになります。そこで,改正相続法では相続させる旨の遺言を除外したのです。
以上,配偶者居住権の要件についてご説明しました。

もっとこの制度を知りたい方はイーグル法律事務所にご相談ください。

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