相続法の改正では,遺言の利用を促進するため自筆証書遺言の方式を緩和することになり,自筆証書遺言の財産目録については自署ではなくてもよいことになりました。
これまで2回にわたり自署性緩和の具体的内容について説明してきましたが,その他の留意点について説明します。
自署性緩和の留意点
まず,改正法では,旧法同様,自筆証書遺言と財産目録を編綴したり,契印したりする必要はありません。
遺言者において,遺言者全体の一体性を確保するため,そのような方法を採ることは何ら問題ありませんが,採らなくても無効にならないということです。
また,財産目録は偽造・変造防止のため署名押印が必要とされていますが,財産目録の押印と本文のそれとが同一である必要はありません。すなわち,本文と財産目録の押印を別々にすることも可能なので,例えば本文は実印で押印,財産目録は認め印で押印することも可能になります。
以上,自筆証書遺言の方式緩和についてご説明しました。
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