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弁護士コラム:【交通事故】複数の神経症状と労働能力喪失率について

2022.01.24

名古屋地判令和3年3月12日では,損害保険料率算定機構は,専業主婦について①頚椎,②右肩,③左肩について神経症状を残すものとして,それぞれに後遺障害等級14級がつき,併合14級としました。そこで,原告は,頸椎単独の後遺障害よりも,頸椎と両肩関節の複合傷害の方が労働能力等に対する傷害の程度が大きいとする医師の意見書を提出し,労働能力喪失率は5%ではなく9%であると主張しました。

これに対し裁判所は「たしかに,後遺障害が1つよりも複数の方が一般的には障害の程度としては大きいといえる」としましたが,原告は夫と未成年者の3人暮らしの専業主婦であるところ,その「従事する労務内容と残存した後遺障害の内容」からして,5%を超える労働能力を喪失したものとは認めがたいと判断しました。

この裁判例からすれば,神経症状(後遺障害)が複数のケースでにおいて,被害者の「従事する労務内容と残存した後遺障害の内容」いかんでは,5%を超える労働能力喪失を認められる余地があるということになります。

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