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弁護士コラム:【交通事故】兼業主婦の休業損害が否定された事例

2021.11.03
1 はじめに

兼業主婦が交通事故に遭い、無理して休まず仕事をしていた場合において、家事労働に制限が生じたとして休業損害が否定された裁判例を紹介します。
なお、兼業主婦の休業損害に関する一般的なことは、弁護士コラム:【交通事故】兼業主婦の休業損害をご確認ください。

 

2 札幌地判令和3年2月5日(自保2096号)

原告は介護支援専門員として平日午前9時~午後5時までフルタイムで勤務し、事故年に372万1457円の給与を得ていました。また、原告は、夫(自営)、息子二人(学生・アルバイト)と同居し、家事を行っていました。事故年の賃金センサスの女性労働者全年齢平均賃金は377万8200円でした。

 

3 原告の主張

原告は本件事故後、辛抱しながら仕事を続けたため給与額の減少はなかったが、十分な家事労働を行うことができませんでした。そこで、事故時の賃金センサスを基礎収入とし、事故日~症状固定日までの期間の50%に相当する休業損害を請求しました。

 

4 裁判所の判断

原告は、事故後も、休むことなくフルタイムで稼働し、賃金センサスに近い年収を得ており、現実収入に減少はなかった以上、家事労働についても、休業損害として評価すべき労働能力の喪失の低下が生じていたとはいえない、としました。

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