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弁護士コラム:【遺産相続】相続土地国庫帰属法

2021.08.19
1 はじめに

令和3年4月21日、相続土地国庫帰属法が成立し、同月28日、公布されました。この法律は公布の日から2年以内に施行されることになります。重要な法律が成立しましたので、説明します。

2 趣旨

例えば、東北で生まれて大学進学とともに関東に移住し、就職・結婚を経て関東で定住することになった相続人Aがいたとします。Aの父は、預貯金や株式など金融資産のほかに、東北のある場所に土地を持っていたとします。

Aは相続放棄したら金融資産を一切取得することができなくなりますので、相続の承認をし遺産を包括的に承継しました。

しかし、関東で暮らすAは東北の土地を相続したいと思うでしょうか。遠方のためおよそ使わない、しかも負担でしかない土地を相続という偶然の事情により所有してしまったばかりに、わざわざ手間とお金をかけて管理したいとは思わないでしょう。また、わざわざ費用を負担してまで相続登記をするでしょうか。答えはいずれも「いいえ」になるでしょう。

このような問題が、相続登記未了、住所変更未了の土地を生む原因となり、ひいては土地の有効活用ができないことにも繋がっていました。

そこで、上記ケースに即していえば、Aが、法務大臣の承認(行政処分)を得た上で、国庫に負担金を納めることより、当該土地の所有権を国に直接移転できる(✕土地所有権を放棄できる)制度が創設されることになりました。

これにより、今後は国が当該土地の所有権を有して管理することになるので、土地の有効活用が促進されることになります。

3 承認申請権者

承認申請できる者は、相続または遺贈により所有権の全部または一部を取得した相続人になります(その他細かい規律は割愛します)。なお、相続人以外の者で遺贈により土地を取得した者は、承認申請できません。

4 承認申請に係る土地の要件

土地の所有権が国に移転することにより、移転管理コストを国(ひいては現在および将来の国民の負担)に転嫁することや、土地管理をおろそかにするモラルハザード発生のおそれを考慮する必要があります。

そこで、土地は、通常の管理処分に過分の費用・労力を要する土地でないことが必要とされています。更地であれば対象となりますが、例えば建物が存在する土地は対象外となります。

5 取得希望のない不動産の分割について

ところで、遺産分割において、評価額が極めて低額であり管理に多額の費用を要する不動産について、相続人の間で取得希望者が誰もいない場合、評価額を0円として評価合意し、特定の相続人に相続させる方法があります。仮に、当該不動産が更地の場合であれば、相続土地国庫帰属法が施行された後、取得した相続人は10年分の管理費用として政令で定める金額を納めて、国に所有権を移転させるという手段が可能となります。

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