1 はじめに
いわゆる特定財産承継遺言(相続させる旨の遺言)について、遺産目録に載っていない遺産が発見された場合(遺言漏れ)、相続人は別途遺産分割をしなければなりません。その遺産分割協議において、具体的相続分の計算において当該特定財産を特別受益として持ち戻して計算の上分割するのか、それとも持ち戻さずに遺言漏れ財産のみを法定相続分に従い分割するのかが問題となります。
2 審判例
審判例によれば、特別受益として持ち戻して計算するのが一般的です。なお、ある相続人が遺言により具体的相続分を超える遺産を承継した場合、他の相続人に対して代償金を支払う必要はありません。遺産分割の際に何も取得できないだけとなります。