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弁護士コラム:【交通事故】後遺障害申請は被害者請求で行うべき

2020.11.15
1 はじめに

症状固定後、後遺障害がのこった場合における後遺障害等級認定申請の方法は、①事前認定の方法と、②被害者請求の方法があります。

①事前認定の方法は、加害者側の任意保険会社が申請手続を行います。被害者は任意保険会社に後遺障害診断書を交付すれば、後の手続は任意保険会社が行うことになります。

②被害者請求の場合、被害者は加害者側の自賠責保険会社に申請を行う方法になります。この場合、被害者は、交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書(レセプト)、レントゲン写真等を準備して自賠責保険会社に申請を行うことになります。

このように、後遺障害認定申請の方法は事前認定と被害者請求の2種類あるわけですが、原則としては被害者請求の方法により行うべきです。以下その理由を説明していきます。

 

2 被害者請求のメリット

一番のメリットは、被害者が提出書類を自由に選択できる点にあります。

例えば、むち打ち症で他覚所見がない場合、後遺障害14級が認められるためには、残存する症状が医学的に説明可能であることを明らかとならなければなりません。
そこで、被害者の人体への衝撃の程度が大きかったことを示す証拠として、加害者と被害者の車両画像、修理費用の明細、刑事記録(例えば実況見分調書)を提出することが有用です。
また、症状固定後も治療を継続していた場合、症状固定後の治療費の領収書などを提出することも有用とされています。
さらに、なんらかの事情により、例えば1か月間通院できなかったといった事情がある場合、特に手当なく申請すると、後遺症が残るほどの怪我ではなかったとされ、非該当となる可能性があります。そこで、通院できなかった理由を補充する必要があります。

もっとも、事前認定の場合、任意保険会社は、これらの証拠を、自賠責保険会社に対し、提出することはありません。
この点、被害者請求であれば、これらの資料も提出することができるので、後遺障害が認定される可能性が上がります。

また、副次的なメリットではありますが、被害者請求の場合、後遺障害が認められれば、自賠責保険会社から後遺障害分の支払いが行われます。例えば、後遺症害14級であれば75万円が指定口座に振り込まれます。

 

3 被害者請求の手続

このように、被害者請求は自身に有利な証拠を提出できますが、上述したとおり、被害者側が交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書(レセプト)、レントゲン等を準備することになります。

交通事故証明書、診断書、診療報酬明細書(レセプト)は、一括対応している損保会社から写しを提供してもらうことができます。
もっとも、一括対応を打ち切ってから症状固定日まで健康保険等で自腹で通院をしていた場合、その間の診断書と診療報酬明細書は被害者側が取り寄せる必要があります。これは有料となります。
なお、病院によっては、自賠責の定型用紙による診断書、診療報酬明細書を書いてもらえない場合があるので、健康保険を使う前に事前に病院側と相談する必要があります。

また、被害者側でレントゲンなどの撮影画像の取り寄せを行う必要があります。費用は被害者側が負担することになります。医療機関によって異なりますが、高い病院では5000円ほどは見ておかなければなりません。複数の病院でレントゲンなどを撮影している場合、病院ごとに入手する必要がありますので、その分費用が増えることになります。なお、代理人がレントゲン画像などを取得する場合,医療照会の同意書の取り寄せが必要になります。

 

4 事前認定で足りる場合

被害者請求のメリットは被害者側が提出書類をコントロールできる点にありましたが、例えば醜状痕の場合、線状痕が3センチ以上あるかが問題となります。これは後遺障害診断書の記載がポイントになりますが、それ以上に被害者側において提出書類を工夫できるような後遺障害ではないので、事前認定でも何ら問題ないと思われます。

 

5 最後に

以上、後遺障害申請について特に被害者請求について説明しました。

後遺障害が非該当になるか14級がつくかで、得られる賠償額が大きく異なってきます。
14級となれば裁判基準であれば後遺症慰謝料が110万円、これに加えて後遺症逸失利益を請求することができます。反対に、非該当であればそれらの請求をすることはできません。
よって後遺障害認定の申請は非常に重要な手続といえましょう。

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