弁護士コラム:【遺産相続】入院中の遺言者は自筆証書遺言保管制度を利用できるか?

1 はじめに

令和2年7月1日から法務局における自筆証書遺言保管制度がスタートしました。
入院中の方は,入院先で作成した自筆証書遺言について,法務局に赴くことなく,専ら郵送のやりとりだけ,あるいは代理人を立てて申請することはできるでしょうか?

2 回答内容

結論は,いずれも出来ません。
自筆証書遺言保管制度を利用する場合,ご本人が直接法務局に赴いて申請しなければなりません。
よってご本人が法務局と郵送でやり取りをして申請をすることは出来ませんし,代理人を立てて申請することも出来ません。
たとえ弁護士など法律専門家に依頼したとしても,当日,ご本人が法務局に行かなければならず,弁護士等はせいぜい付添人として同行する立場に過ぎません。

ではなぜ本人の直接申請しか認められないでしょうか。
仮に郵送でのやり取りを認めた場合,本人以外の者が本人になりすまして申請することができてしまいます。
また代理人による申請を認めた場合も,本人になりすまして法務局に赴いて申請することが出来てしまいます。
このように郵送や代理人による申請を認めた場合,本人の真意に基づかない遺言が本人の預り知らないところで作成されてしまう恐れがあり,その恐れを他の代替手段では払拭することは出来ないと考えられたため,法は,例外を一切認めずに,本人申請のみとしたのです。

ところで,入院中の本人は,公正証書遺言の場合であれば,公証人が病院まで出張して作成してくれる場合がありますので,そちらを利用することになるでしょう。

3 最後に

以上,郵便や代理人により法務局における自筆証書遺言保管制度を利用できるかについて,ご説明しました。
代理人による自筆証書遺言保管制度が利用できない点については,別記事弁護士コラム:「遺言者の代理人は法務局で遺言書の保管申請をできるのか?」で詳しく説明しておりますので,併せてご確認ください。
お困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。

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執筆者

弁護士法人イーグル法律事務所 代表弁護士
神戸・明石を拠点に、誰もが気軽に相談できる法律事務所を目指します。
特に年間200件以上の相談実績がある「交通事故」問題や、「相続・遺言」「債務整理」の分野に豊富な経験と実績があります。その他、企業法務から離婚、刑事事件まで幅広く対応。専門家の立場から、皆様のお悩みを解決するために正確で分かりやすい情報をお届けします。

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