TOPICS

  • HOME>
  • TOPICS>
  • 弁護士コラム:【遺産相続】特別受益の相談・・・

弁護士コラム:【遺産相続】特別受益の相談事例②

2020.11.01
1 はじめに

遺産分割では、相続人の一人が被相続人から生前に特別受益を得ていた場合、それは遺産の前渡しと評価されることになります。
そこで、以下では前回に引き続き、よくあるご相談についてご説明します。

2 相談内容

私の父が先日亡くなりました。
父の遺産は預貯金や不動産があります。
私には兄がいるのですが、兄と半分ずつ遺産を分けるのはどうも納得がいきません。
と言いますのも、兄は、高校卒業後、地元を離れて国立大学に入学し、卒業後は就職せずに大学院に入りました。
父は兄に対し学費を全額援助していたのです。
一方で私は高校卒業後すぐに就職しました。
このように同じ兄弟でも境遇が違うので不公平です。

また、兄は、大学院在学中にお見合いし、今の奥さんと結婚しました。
父は、結納金や結婚式費用の大半を負担していました。
兄もこのことは認めています。
私は未婚であり、父から兄が受けたような援助を一切受けていません。
兄と同じ相続分とされるのは公平に反すると思います。

さらに、兄は、父から、定期的に15万円の仕送りを受けていました。父の自宅を探していたら振込用紙が多数見つかりました。これは生計の資本としての贈与にあたると思います。

3 回答内容

まず、大学と大学院の学費の援助が生計の資本としての贈与にあたるかが問題となります。
生計の資本としての贈与にあたるかは、被相続人の財産状況に照らして親族間の扶養義務の範囲内のものと評価できるかによって判断されると考えられています。そして実務では私立大学医学部の入学金以外は特別受益にあたらないとされています。
ご相談の場合、大学や大学院の学費が特別受益にあたることにはなりません。

次に結納金や挙式費用が婚姻・養子縁組のための贈与にあたるかが問題となります。
まず結納金は結婚相手の親に対する贈与といえます。
また挙式費用は親が自らのために支出した費用といえます。
よって結納金や挙式費用はいずれも特別受益にあたらないといえます。

最後に定期的に生活費の援助を受けていたことが生計の資本としての贈与にあたるかが問題となります。この点、被相続人の財産状況に照らして親族間の扶養義務の範囲内のものと評価できるかによって判断されると考えられています。実務では、月ごとの送金がおおむね10万円を超えるであれば、親族間の扶養義務の範囲外としています。よって15万円の定期的な仕送りは生計の資本としての贈与にあたり、特別受益となる可能性があります。

EAGLE LAW OFFICE LPC

078-325-1156

お問い
合わせ