１　はじめに

交通事故に遭った場合、被害者は、加害者側が加入する保険内容について確認しておくことが後々の賠償問題を解決する際に重要になってきます。
そこで，加害者側が加入する保険内容について確認する際の留意点についてご説明します。

２　任意保険の確認

加害者の自賠責保険は交通事故証明書を確認すれば判明します。しかし、任意保険は加害者から確認する必要があります。
万が一、相手方本人と事故後連絡が取れず、また、相手方本人が保険会社にも事故報告をしていなかった場合であったとしても、弁護士であれば相手方が加入する任意保険会社を調査することができます。具体的には、一般社団法人日本損害保険協会（損保協会）に弁護士会照会をすることになります。損保協会を通して各損保から回答が返ってくることになります。

ちなみに任意保険の付保率は７５%ほどになります。反対に、４台中１台は任意保険に加入していないことになります。

３　任意保険の保険内容の確認

加害者が加入する任意保険会社を把握するだけでは不十分です。
対人賠償の対物保険に上限がついていないか、換言すると対人・対物無制限になっているかを確認する必要があります。というのも、たいていの対人賠償保険・対物賠償保険は無制限となっていますが、限度額が定められている場合は加害者本人の賠償能力を気にしなければならなくなるからです。

また、免責金の規定が設けられている可能性があります。
免責金とは、任意保険会社が負担せず、加害者本人が負担しなければならない賠償額のことをいいます。
この免責金の規定の有無、その額を確認することも必要です。

４　車両保険の有無

被害者にも過失が認められる場合、加害者が車両保険を使えば、加害者の保険会社が被害者に対して求償権を取得します。
そうすると、被害者の交渉相手は加害者から保険会社に変わります。
そのため、加害者が車両保険に加入しているかを確認しておいた方がよいと思われます。

５　最後に

以上、被害者が加害者の保険内容についてどのような点を確認するとよいか説明しました。
交通事故でお困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。