1 はじめに
自己破産を申し立てる場合において、ローンで購入した車を残すことができるかについて説明します。
2 ローンの車を残す方法
ローンで車を購入すると、車検証の所有者欄はローン会社,使用者は購入者となります。
弁護士がローン会社に対し自己破産の受任通知を送ると、ローン会社は車の引き上げの日程調整の連絡をしてきます。
日程が決まれば、ローン会社から委託を受けた業者が車の保管先に出向き、車を引き上げます。
ローン会社は車をオークション等で売却し,売却代金を返済に充当することになります。
自己破産を考えており,公共交通機関が発達していない地域で暮らしている方は,なんとかして自動車を残したいと思われるかもしれません。
そこで,ローン会社にだけ返済することも考えられますが,これは禁止されています。
返済を強行すれば、いわゆる偏波弁済となり,免責不許可事由となり,最終的に免責決定が出ない可能性があります。
そこで、親族に事情を説明して,親族がローン会社に対し一括返済することが考えられます。
ただ,実際問題として,親族が協力してくれるケースはほとんどないと思われます。
そのため,自己破産の場合,ローンで購入した車を残すことは事実上出来ないことになります。
3 車の引き上げ時期
受任通知を送ると、ローン会社は引き上げの連絡をしてきますが、連絡の時期は区々です。
早い会社は受任通知の翌日に引き上げの日程調整の連絡をしてきます。他方で1ヶ月ほど経ってから連絡をしてくる会社もあります。
4 車のローンに保証人が就いた場合
ローン会社に受任通知を送ると、ローン会社は保証人に残ローンの一括請求をします。
住宅ローンと異なり自動車ローンに保証人が就くケースはあまりないものの(自動車には所有権留保がついているため),保証人に迷惑がかかるので、事前に連絡をしておく必要があります。
5 10年落ちの場合(補足)
ちなみに、ローンがついてない車の場合、初年度登録から7年経過していれば、自己破産の手続では,車の評価は0円とみなされます。
そのため,自己破産をする場合でも、10年落ちの車であれば,引き揚げられることなく乗り続けることができるのです。
6 最後に
以上、自己破産をする場合にローンで買った車を残す方法について説明しました。
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