弁護士コラム:【遺産相続】配偶者居住権の価値の回収方法

1 相談内容

私は,遺産分割により,亡夫と長年暮らしてきたマンションの配偶者居住権を取得することになりました。
ところが,私は,足腰が弱くなったので,介護施設に入所することになりました。
配偶者居住権は不要になったので,お金に換えたのですが,どうすればよいでしょうか?

 

2 譲渡する方法(不可)

第1に,配偶者居住権を第三者に譲渡することが考えられます。
しかし,配偶者居住権の譲渡は認められません(民法第1032条第2項)。
なぜなら,配偶者居住権は,配偶者の居住権を保護するために特別に認められた一身専属権であるところ,その権利の性質上,第三者に譲渡することはできないからです。

 

3 賃貸する方法(可)

第2に,配偶者は第三者に居住建物を賃貸することが考えられます。
これは条件付で認められています。
すなわち,配偶者は,居住建物の所有者の承諾を得られれば,第三者に居住建物を賃貸することができます(民法第1032条第3項)。
このように,配偶者は,第三者からの賃料収入を通じて配偶者居住権の価値を回収することが認められています。

 

4 放棄する方法(可)

第3に,配偶者は,配偶者居住権を放棄することを条件に,これによって利益を受ける居住建物の所有者から放棄料として一定の金銭を受けることも考えられます。

 

5 配偶者居住権の買取請求(不可)

ちなみに,相続法改正の審議段階では,配偶者が居住建物の所有者の了解なく一方的意思表示により配偶者居住権の価値を回収する方策(買取請求)も検討されました。
しかし,最終的には採用されませんでした。

 

6 最後に

以上,配偶者居住権の価値の回収方法についてご説明しました。
配偶者居住権を検討されている方はイーグル法律事務所にご相談ください。

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執筆者

弁護士法人イーグル法律事務所 代表弁護士
神戸・明石を拠点に、誰もが気軽に相談できる法律事務所を目指します。
特に年間200件以上の相談実績がある「交通事故」問題や、「相続・遺言」「債務整理」の分野に豊富な経験と実績があります。その他、企業法務から離婚、刑事事件まで幅広く対応。専門家の立場から、皆様のお悩みを解決するために正確で分かりやすい情報をお届けします。

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