はじめに
消費者の債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3つの手段があります。
自分はどの方法を採るのがベストかは専門家にご相談いただくのがよいですが、その前提として、3つの手段はどのようなケースで使われるのかについて具体的なイメージを持っていただくのが大切です。今回は自己破産について具体的なケースをご紹介します。
なお個人再生については,「弁護士コラム:【借金問題】個人再生のメリット」「弁護士コラム:【借金問題】個人再生のメリット②」をご参照下さい。
相談内容
Iさんの息子さんは4年制私立大学を卒業し某会社に正社員として就職しました。
Iさんの息子さんは,4年間奨学金を借りており、給料から毎月支払っていました。ところが入社3年目にうつ病を患い自主退職することになり、奨学金の支払いも出来なくなりました。Iさんの息子さんは日本学生支援機構に返還猶予や返還免除の申請をすることなく、返還未納状態が続きました。そのため、日本学生支援機構は、Iさんの息子さんに対して、返還期限未到来分も繰り上げて一括で請求しました。この一括請求は、日本学生支援機構法施行令5条5項の「支払能力があるにもかかわらず割賦金の返還を著しく怠ったと認められるときは、・・・返還未済額の全額を返還しなければならない。」との規定を根拠にするものです。しかし、Iさんの息子さんは支払いをせずに放置してしまっていました。
ところで、Iさんは,息子さんの奨学金の連帯保証人になっていました。息子さんは一切支払わなかったため,Iさんの自宅に日本学生支援機構から数百万円の一括請求書が内容証明郵便で届きました。
Iさんは現在パート生活の身で貯金がほとんどありませんでしたので、自己破産を希望してご相談に来られました。
解決内容
弁護士が速やかに日本学生支援機構に受任通知を発送したところ、すぐに督促が止まりました。
その後、必要書類を速やかに揃えて自己破産の申立てを済ませ、無事に免責決定を得ることが出来ました。
なお,免責制度について説明した記事もありますので,「免責制度の理念」もご参照ください。
また,免責が問題となったケースとして「ギャンブルが原因でも自己破産を諦めない!」もお読み頂けると幸いです。
コメント
日本学生支援機構から督促状が突然届くことがありますが、支払いが出来ない場合は自己破産をすることにより返済をしなくてもよいことになります。
自己破産により当面借入れをすることは出来なくなりますが、仕事先や友人知人に自己破産したことを知られることはありませんし、選挙権が無くなることもありません。
関連して,自己破産のメリット・デメリットについても詳しく説明しておりますので,詳細を確認したい方は「弁護士コラム:【自己破産】自己破産のメリット・デメリット」もご確認ください。
イーグル法律事務所では借金問題のご相談は無料で承っております。
自己破産にあたりご心配な点は丁寧に分かりやすくご説明しますので、お気軽にご相談ください。