1 はじめに
債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3つの手段があります。
自分はどの方法を採るのがベストかは専門家に直接ご相談いただくのがよいですが、その前提として、3つの手段はどのようなケースで使われるのかについて具体的なイメージを持っていただくのが大切です。
今回は、借金が膨らんだ原因がギャンブルの場合における自己破産について具体的なケースをご紹介します。
2 相談
独身のNさんは、日々の仕事が忙しく、少ない休みの日は気分転換として大好きなパチンコ、競馬、競艇などのギャンブルに1日中興じていました。
Nさんのお給料は日給なので、仕事が少ない月は給料が少なくなりました。
Nさんはそんな月はギャンブルを控えれば良かったのですが止めることが出来ず、家賃、水道光熱費、携帯電話代が支払えなくなり、カードローンや消費者金融で借りることにしました。
Nさんは当初借りるのに抵抗がありましたが、案外簡単にすぐにまとまったお金を借りることができたので、他の消費者金融からも借りるようになりました。
その後、Nさんは、利息がどんどん増えてきて、とうとう返せなくなりました。
また、会社の同僚からも借り尽くしたため、最終的にはヤミ金にまで手を出すことになりました。
Nさんはヤミ金からのメールや電話の督促が厳しく、精神的に辛くなりました。
そこで弁護士のもとにご相談に来られました。
3 解決内容
まず、弁護士は、Nさんから借金の総額や返済状況など詳しい聴き取りをしました。
その上で任意整理、自己破産、個人再生について分かりやすく説明しました。
Nさんの場合はお給料がもともと少ない上に波があったため、任意整理や個人再生は難しかったので、自己破産を選択することになりました。
もっとも、Nさんの場合、借金が膨らんだ原因がギャンブルにありました。そこで、弁護士はNさんに対し「借金を支払わなくてもよくなる決定(免責決定)を得ることは大変で、場合によっては破産管財人が就いて、生活状況を一定期間観察した上で免責決定を出すか判断されるかもしれない」といったリスク面についても説明しました。
また、弁護士に依頼することでヤミ金など債権者からの毎日の督促連絡が無くなり、Nさんは精神的な負担が軽減しました。
最終的には、Nさんには今後の生活の見直すことなどを具体的に記載した陳述書を書いてもらいました。その上で、申立書と一緒に提出したところ、破産管財人が就くことなく、免責決定を得ることが出来、早く解決をすることができました。
これにより管財事件に移行すれば予納するはずの20万円ほど追加負担がなくなりました。
4 最後に
借金の原因がギャンブルの場合、免責不許可事由に該当します。
もっとも、申立書を充実させるなどの方法を採れば免責決定を得られる道が開けます。
裁判所は毎年統計を出しているのですが、免責決定が認められなかったのは申立て件数の1%に満たない数です。そのため、ギャンブルで借金が膨らんだ場合でも、免責決定を得ることは十分に可能です。
イーグル法律事務所では借金問題のご相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。