交通事故において過失割合が問題となる場合、同じ事故類型でも、被害者が四輪車の場合と単車とでは、単車のほうが四輪車よりも過失割合が軽減されることがあります。これは、単車のほうが四輪車よりも交通弱者であるからと言われています。
この点について、京都地裁令和4年3月17日(自保ジャーナル2130号)は、交通弱者についての一般論として次のとおり判示しました。「一般に、四輪車、単車、自転車、歩行者の順に立場が弱く、相互間で交通事故が生じた場合、後者の方がより大きな損害を被りやすい傾向にあるといえるから、後者になるほど、いわゆる交通弱者として手厚い保護が必要になり、その反面として、前者になればなるほど後者との関係でより重い注意義務が課されることになると解される。」
弁護士コラム:【交通事故】交通弱者について
2023.04.09