1 要件
家庭裁判所は、①検察官関与の対象事件で送致された犯罪少年又は同罪名で送致された触法少年について(死刑または無期若しくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪)、②看護措置がとられており、かつ、③少年に弁護士である付添人がない場合において、④事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付することができる、とされています(少年法22条の3第2項)。
これにより軽微な万引きでも付添人が就くケースもあります。
2 選任率
平成26年に①のとおり範囲拡大されましたが、その年の選任率は50%程度でした。最高裁家庭局の統計によれば、令和3年は83.2%とかなりの高水準となっています。
3 管轄区域外の弁護士の選任について
国選付添人は、「当該家庭裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に所属する弁護士の中から裁判長がこれを選任しなければならない。ただし、その管轄区域内に選任すべき事件について付添人としての活動をすることのできる弁護士がないときその他やむを得ない事情があるときは、これに隣接する他の家庭裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に所属する弁護士その他適当な弁護士の中からこれを選任することができる。」とされています(少年審判規則30条の3第3項)。
やむを得ない事情が認められれば、「その他適当な弁護士の中」とあるとおり、隣県以外の弁護士でも選任可能です。