TOPICS

  • HOME>
  • TOPICS>
  • 弁護士コラム:【交通事故】最近の裁判例の・・・

弁護士コラム:【交通事故】最近の裁判例の紹介(大阪地裁令和3年9月29日)

2023.02.06
1 はじめに

大阪地裁令和3年9月29日(自保2126号)を紹介します。この事案では、被害車両が自動二輪車で、追突した加害車両が軽自動車でした。治療期間の相当性などが争われました。

 

2 訴訟経過

平成30年2月16日 事故発生
平成31年1月16日 原告、損害賠償請求訴訟提起(①)

(令和2年)
5月25日 被告が破産手続開始決定
7月15日 原告→破産管財人 破産債権の届出
7月20日 原告→被告保険会社 任意保険契約に基づく直接請求の訴え提起(②)

(令和3年)
2月22日 破産管財人、債権調査期日にて、破産債権全部について異議
3月8日 原告→(受継した)破産管財人 ①を債権確定訴訟に訴え変更
3月10日 裁判所、①②の弁論併合決定
9月1日 原告→自賠責 被害者請求により120万円回収 ※破産法104条2項参照
9月17日 口頭弁論終結
9月29日 原告の被告に対して有する破産債権が0円あることを確定する判決→原告控訴

(令和4年)
2月4日 控訴審の口頭弁論終結
3月23日 控訴棄却判決

 

3 判断

裁判所は原告の身体への外力について次のように言及しました。
「・・・事故状況からすれば,衝突後,原告及び原告二輪車は転倒せず停止しており,原告二輪車については後部マフラー部に損傷が生じ,被告車については前部ラジエターグリル部近辺のプラスチック部品が割れる損傷が生じたにすぎないことからすれば,原告二輪車を通じて原告の身体に及んだ外力は大きくはない。そして,原告は,被告車の追突を予期しつつ,両足,両膝,両腕で原告二輪車の車体をホールドしながら身構えて,外力に対する防御的な姿勢をとることにより過伸展・過屈曲運動を妨げていることからすれば,本件の受傷機転は,予期できない不意打ち的な追突によりむち打ちが生じる場合とはやや異なったものとなっており,外力の原告の身体に対する影響はより限定的なものになるといわなければならない。

その上で、相当な治療期間は受傷から3か月半としました。
なお、被告は受傷そのものを否定しましたが、「ヘルメットの重量もあり重くなっていた頭部を支える原告の頚部に捻挫が生じたり,原告が重量のある原告二輪車をホールドしていたところに衝撃が及ぶことにより腰椎捻挫が生じたりすること自体は十分あり得る」として、排斥しました。

EAGLE LAW OFFICE LPC

078-325-1156

お問い
合わせ