小規模個人再生手続では、破産手続と異なり、否認権に関する規定は適用されません。もっとも、例えば、受任通知後、一部の債権者に対し弁済した場合は偏頗弁済にあたり、弁済額を清算価値に上乗せする必要があります。また、裁判所は、不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないときは、再生手続開始の申立てを棄却しなければならないとしています(民事再生法25条4号)。
したがって、受任通知後の偏頗弁済をもって申立てが不誠実になされたものであるとして申立てが棄却される可能性があります。よって、小規模個人再生手続においても、受任通知後の偏頗弁済は厳に控えるべきことになります。
弁護士コラム:【債務整理】個人再生と否認対象行為
2022.09.16