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弁護士コラム:【個人再生】債権届期間経過後の債権届出

2022.07.14

個人再生の場合は、再生債権のみなし届出が定められているので、債権者一覧表に記載してある債権について再生債権の届出をしたものとみなされます。すなわち、民事再生法225条では、「債権者一覧表に記載されている再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、債権届出期間内に裁判所に当該再生債権の届出又は当該再生債権を有しない旨の届出をした場合を除き、当該債権届出期間の初日に、債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出をしたものとみなす。」と規定されています。

そうすると、債権者一覧表に記載がない債権者は、原則どおり債権届出期間内に債権届出を提出しなければなりません。すなわち、民事再生法34条では「裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び再生債権の調査をするための期間を定めなければならない。」とされており、同法94条では「再生手続に参加しようとする再生債権者は、第三十四条第一項の規定により定められた再生債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、各債権について、その内容及び原因、約定劣後再生債権であるときはその旨、議決権の額その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。」とされています。

ところで、債権者一覧表に記載のない債権者が債権届出期間を経過した後、裁判所に債権届出をしたとします。この場合、裁判所は、債権届出期間内に届出ができなったことにつき、債権者に帰責性がないと認定した場合に限り、特別異議申述期間を設けることになります。すなわち、民事再生法95条では「再生債権者がその責めに帰することができない事由によって債権届出期間内に届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出の追完をすることができる。」とされています。

そこで、民事再生法95条の「その責めに帰することができない事由」の意義が問題となります。この点については「債権者が金融業者等である場合、再生手続開始決定の官報公告等もしていることを考慮すると、債権者一覧表に債権が記載されておらず開始決定の通知を受けていないという理由だけでは、帰責事由がないと考えるのは困難と考えられています」(個人再生の手引213頁)。

 なお、仮に帰責性がないと判断された場合において、特別異議申述期間を設ける場合、当該債権者は裁判所に対し官報公告費用を予納しなければなりません。

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