1 警察署への交通費
例えば名古屋在住の交通事故被害者が警察の捜査に協力するために事故現場である滋賀県の警察まで新幹線と在来線を利用して赴いた場合、その往復交通費を加害者に対して請求できるかが問題となります。
この点が争いになった近時の裁判例では「交通事故において一定の捜査が行われることは通常のことであり、原告が本件事故に遇わなければ、同警察署への出頭も必要なかった」として、上記往復交通費と事故との間に相当因果関係を認めています(名古屋地裁令和3年4月7日)。
2 検察庁への交通費
東京地裁令和3年7月14日は「本件事故によって出費を余儀なくされた損害であるといえる」として、事故との相当因果関係を認めています。