弁護士コラム:【離婚問題】婚姻費用減額と事情変更

1 事情変更について

最近は、新型コロナウイルスによる減収の主張が増えているようです。

この点について、松本哲泓裁判官(大阪高等裁判所部総括)によれば「2割程度減少した場合は、事情変更を認める例が多い」としています。

 

2 裁判例の紹介

大阪高等裁判所令和2年2月20日決定の事案は、夫が抑うつ状態のため退職し減収したことを理由に婚姻費用減額の申立てを行った事案でした。

原審は事情変更ありとしたのに対し、抗告審は変更なしとしました。抗告審の判断で印象的な点は次の点になります。

すなわち、抗告審は、診断書の書きぶりを細かく見ています。例えば「・・診断書も・・・具体的症状は全く記載されておらず、どの程度就労が制限され、どのような形態であれば就労可能であるのか明らかにされていない」というくだりがあります。さらに続けて「診断書の作成時期、経緯及び記載内容からすれば、・・・審判手続において自己に有利な資料として提出するために上記診断書の交付を受けた疑いなしとしない。」ともされています。原審が診断書について詳細に検討することなく就労不能と判断したのと比べると特徴的です。

翻って婚姻費用減額を求める側の弁護士の立場からすれば、本件のような事案において診断書を提出する場合、裁判所から審判のために自己に有利な証拠として提出したと思われないようにしなければなりません。そこで、例えば、診断書には具体的症状を書いてもらう、当該症状によりどの程度就労が制限されてうるのかも書いてもらうのが必要になってくると思われます。

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執筆者

弁護士法人イーグル法律事務所 代表弁護士
神戸・明石を拠点に、誰もが気軽に相談できる法律事務所を目指します。
特に年間200件以上の相談実績がある「交通事故」問題や、「相続・遺言」「債務整理」の分野に豊富な経験と実績があります。その他、企業法務から離婚、刑事事件まで幅広く対応。専門家の立場から、皆様のお悩みを解決するために正確で分かりやすい情報をお届けします。

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