1 はじめに
推定相続人は相続開始前に遺留分の放棄を行うことができます。
遺留分の放棄があれば、被相続人の死後、遺留分侵害額請求を巡る争いを回避することができます。
遺産分の放棄は毎年1000件ほど行われています。
そこで、今回は遺留分の放棄について説明します。
2 遺留分の放棄は要式行為である
生前における遺留分の放棄は、被相続人に対する一方的な意思表示により行います。
つまり遺留分の放棄は単独行為であり、契約ではありませんので、被相続人の同意は必要ありません。
もっとも、遺留分の放棄は家庭裁判所の許可審判がない限り認められません。
そのため、推定相続人が被相続人に対して遺留分の放棄を内容証明郵便で行ったとしても、遺留分の放棄の効果は発生しないのです。
3 遺留分放棄が家庭裁判所の要許可とされた理由
一言でいえば遺留分権利者の保護のためです。
すなわち、仮に遺留分の放棄が被相続人に対する意思表示のみで効力が生じるとすれば、被相続人が遺留分権利者に対して圧力をかけて遺留分の放棄を無理やりさせる恐れがあります。
また、他の相続人が遺留分権利者に対して遺留分の放棄を強要するかもしれません。
このように、遺留分権利者の遺留分がその意思に反して奪われることがないよう、家庭裁判所が事前にチェックすることにしたのです。
4 最後に
以上、遺留分の放棄について説明しました。
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