1 はじめに
被害者にも過失がある場合,加害者側に対する賠償金の支払う必要が出てきます。
このとき,被害者は,対物保険を使って,賠償金の支払いをすることが出来ます。
もっとも,対物保険を使えば、保険の等級は3等級ダウンすることになり、これに伴い翌年以降の保険料が増額することになります。
そうすると,被害者が支払う賠償額が保険料増額分よりも低い場合、対物保険を使うのはかえってマイナスになります。
以下,このことについて具体例を用いて説明していきます。
2 具体例
例えば、Xさんの損害は80万円、Yさんの損害は10万円、XとYの過失割合は1対9だったとします。
Xさん側からすれば、Yさんからもらう賠償金は72万円、Yさんに支払う賠償金は1万円になります。
Xさんは賠償金1万円の支払いのために対物保険を使うとなれば、翌年以降の保険料は合計10万円ほどアップするので、かえって損になってしまいます。
そのため、Xさんは対物保険は使わずに相殺処理してもらうほうがよいことになりなります。
3 最後に
以上、被害者にも過失がある場合、自身の対物保険を利用するべきではないケースについてご説明しました。
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