1 はじめに
個人が自己破産をする場合、最終的には免責決定を得ることが重要になります。もっとも、海外では免責制度がない国もあります。そこで、なぜ日本では免責制度が設けられているのかについて説明します。
2 破産法1条
破産法1条は、破産法の目的として「債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ること」が掲げています。
この破産法の目的からすれば、免責制度は、経済生活に失敗した破産者に対し経済的な再出発の機会を与える制度であるといえます。
ところで、ご相談者の中には「借りたものは返さなければならないのに、破産すれば結果として借金を踏み倒すことにならないか?」といった質問をされる方がいます。
たしかに、道義的な観点からすれば借りたものは返すべきでしょう。しかし、法は個人に対し再スタートのチャンスを与えているのですから、免責決定を得て返済義務を免れることはなんら問題はありません。
免責決定を得て、いったん借金をリセットしてやり直すことが実現出来れば、まさに法が企図している経済的更生が実現されたといえます。
3 免責不許可について
免責制度は個人の再スタートを後押ししますが、その一方で債権者は返済してもらえないわけですから不利益を被ることになります。
そして、再スタートの後押しを図るべきという要請を重視しすぎて、債権者に一方的に不利益を課すのは妥当ではありません。
そのため、債権者の利益を過度に害してまで消費者の再スタートを後押しするべきでない場合、免責は認めれません。例えば、債務が膨らんだ原因がギャンブルの場合、免責を認めてよいかが問題となります。いわゆる免責不許可の問題になります。
この点について、具体的な事例は、以下の記事をご確認下さい。
弁護士コラム:【債務整理】ギャンブルでも自己破産を諦めない
4 最後に
以上、自己破産の免責制度の理念について簡単にご説明しました。
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