1 はじめに
弁護人の働きかけの結果,裁判所が勾留請求を却下し、検察官の準抗告申立ても棄却された事例をご紹介します。
2 事案の紹介
依頼者は実家で内妻と暮らしていたところ、些細な口げんかから、内妻に暴力をふるってしまい、逮捕されてしまいました。
依頼者は会社に逮捕されたことを知られてしまえば退職せざるを得なくなるので、早期の釈放を望んでいました。
3 弁護人の活動
まず,弁護人は,ご両親と速やかに面談し、身柄引受人になっていただくようお願いし、身柄引受書を取得しました。
また、弁護人は,依頼者から、内妻と接触しないことを約束する誓約書を取得しました。
さらに、弁護人は,依頼者の勤め先の情報をHPなどで確認し、報告書にまとめました。
弁護人は、検察官に対して上記の資料を示して勾留請求しないように説得を試みました。
具体的には,内妻はすでにDVシェルターで保護されており、依頼者が内妻に接触することは事実上不可能でしたので,罪証隠滅のおそれはないと説明しました。
ところが、検察官は勾留請求の考えを変えることはありませんでした。
そこで、勾留請求後,弁護人は、裁判官とも面談し、勾留請求を却下するよう説得を試みました。
裁判官は,弁護人の説明に理解を示してくれました。
もっとも,勾留却下率は数%と低いので、結果が出るまで油断はてきませんでした。
結果は勾留却下でした。
ところが、検察官が準抗告をしてきました。
これに対して弁護人は勾留却下決定が維持されるべきである旨の意見書を提出しました。
結果は,勾留却下決定を維持するものでした。
これにより,依頼者は逮捕されて数日で釈放されることになり、職場にも知られずに済みました。
4 最後に
以上、勾留請求却下に向けた活動について、具体例を交えてご説明しました。
お困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。