弁護士コラム:【交通事故】兼業主婦の休業損害が否定された事例

1 はじめに

兼業主婦が交通事故に遭い、無理して休まず仕事をしていた場合において、家事労働に制限が生じたとして休業損害が否定された裁判例を紹介します。
なお、兼業主婦の休業損害に関する一般的なことは、弁護士コラム:【交通事故】兼業主婦の休業損害をご確認ください。

 

2 札幌地判令和3年2月5日(自保2096号)

原告は介護支援専門員として平日午前9時~午後5時までフルタイムで勤務し、事故年に372万1457円の給与を得ていました。また、原告は、夫(自営)、息子二人(学生・アルバイト)と同居し、家事を行っていました。事故年の賃金センサスの女性労働者全年齢平均賃金は377万8200円でした。

 

3 原告の主張

原告は本件事故後、辛抱しながら仕事を続けたため給与額の減少はなかったが、十分な家事労働を行うことができませんでした。そこで、事故時の賃金センサスを基礎収入とし、事故日~症状固定日までの期間の50%に相当する休業損害を請求しました。

 

4 裁判所の判断

原告は、事故後も、休むことなくフルタイムで稼働し、賃金センサスに近い年収を得ており、現実収入に減少はなかった以上、家事労働についても、休業損害として評価すべき労働能力の喪失の低下が生じていたとはいえない、としました。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

執筆者

弁護士法人イーグル法律事務所 代表弁護士
神戸・明石を拠点に、誰もが気軽に相談できる法律事務所を目指します。
特に年間200件以上の相談実績がある「交通事故」問題や、「相続・遺言」「債務整理」の分野に豊富な経験と実績があります。その他、企業法務から離婚、刑事事件まで幅広く対応。専門家の立場から、皆様のお悩みを解決するために正確で分かりやすい情報をお届けします。

目次