民法では、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」とされています。
ところで、自筆証書遺言の無効確認訴訟では、原告側が、遺言の筆跡と遺言者の他の場面での筆跡とを比較対照した私的鑑定書を証拠提出することがあります。
この私的鑑定書の証明力については裁判所は慎重に判断する傾向にあります。
この点、遺言書の本文の文字も含めて比較対照されている、多数の筆跡対照資料をもって対照されているといった私的鑑定書であれば、証明力が高いと判断するものと思われます。