遺産分割調停においては、相続人間で遺産の範囲に争いがある場合、中間合意を行い、調停調書に残されることがあります。中間合意がなされた後、相続人の一人が中間合意に反する主張をした場合、その主張は認められることになるのかが問題となります。
この点について、最高裁判例はありませんが、家事事件手続法2条に基づく信義則により、中間合意は当事者に対する拘束力があると解されています。そのため、いったん合意した後、翻意した場合、それが信義則に反し認められないとされ、中間合意の内容が判断の材料とされることになります。