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弁護士コラム:【交通事故】自賠責保険に入っていない場合~政府保障事業

2020.10.12
1 はじめに

自動車を運転する者は自賠責保険に必ず加入しなければなりません。
ところが,加害者が自賠責保険に加入していないなどにより、被害者が自賠責保険から保険金を受け取ることができないことがあります。
この場合,被害者は、国(国土交通省)の政府保障事業から,保障を受けることができます(自賠法72条)。
そこで,以下では,政府保障事業についてご説明します。

 

2 政府保障事業の対象事故

第1に、加害者を特定できない場合です。例えばひき逃げの場合です。

第2に、加害者が自賠責保険に加入せず運転して交通事故を起こした場合です。例えば自賠責保険が期限切れにより無保険になっていた場合です。

第3に、加害者が車を盗んで運転して交通事故を起こした場合です。

 

3 政府保障事業の性質

被害者の国に対する保障請求は、損害賠償請求権ではなく、自動車事故の被害者保護の観点から特別に創設した公法上の権利とされています。よって政府保障事業は社会保障的な要素が強い制度といえます。

なお、被害者が労災保険から損害の補填を受けるとその全額が控除されます(自賠法73条1項)。
また,保障請求権は3年で時効となるので注意が必要です。

 

4 政府保障事業の内容

まず、被害者が国から受け取ることができる補償は、自賠責保険で支払われる金額と同額となります。つまり、傷害による損害は限度額が120万円、後遺障害による損害は等級により限度額が定められています。例えば後遺症の等級が14級の場合は75万円が限度額になります。

また、国は政府保障事業の支給決定以外の業務を損保会社に委託しています。そのため,被害者は国から委託を受けた損保会社に対し政府保障事業の利用申請を行うことになります。
そうすると,損保会社は損害保険料率算出機構に調査を依頼します。
その後、損害保険料率算出機構は調査結果を損保会社に報告します。
損保会社は調査結果を国に報告し、国はその調査結果をもとに支給決定を出します。
損保会社は,国の支給決定に基づき被害者に補償金を支払うことになります。

このような過程を経て被害者は自賠責保険相当の補償を受けることができるわけですが、申請してから着金するまで相当な期間を要すると言われていますので、注意が必要です。

 

5 裁判について

裁判所は、損害額の認定に際して、政府保障事業の算定結果に拘束されないとされています(最高裁平成21年12月17日)。そのため、被害者は、政府保障事業が後遺障害非該当と認定したことに対して、後遺障害等級14級9号に該当するとして訴訟提起することは可能です。もっとも補償額には限度額があります。

 

6 最後に

以上、政府保障事業について説明しました。
交通事故でお困りの方はイーグル法律事務所までご相談ください。

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