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弁護士コラム:【交通事故】受傷機転の事実認定が問題となった裁判例

2023.01.22
1 原審

原告は、本件事故の際、左ひじ関節が急激に90度以上屈曲し、かつ、衝撃時に左ひじ部が運転席や左ひじ掛けに強打したと主張しました。

被告は、原告は本人尋問の際に「左手や左ひじをぶつけたか一瞬の出来事で正確に覚えていない」などの供述していことなどを理由に、左ひじを受傷した機転が明らかでないと主張しました。

裁判所は、原告の本人尋問の供述などを理由に左ひじの受傷を否定しました。

 

2 大阪高裁令和4年3月23日(自保ジャーナル2125号)

控訴審は次のような理由により左ひじの受傷を認めました。

本件事故により原告車両の全面は大きく破損し、その協定修理費用は82万5000円であり、自走不能となっていたので、衝撃の程度は大きかった。
また、この大きな衝撃により、原告車両の運転席及び助手席のエアバックは作動し、原告の身体が運転席側のエアバッグがしぼむ程度にまで強く突っ込んだ後、その反動で運転席の背もたれに押し付けられている。
したがって、原告が、運転席のエアバックに突っ込んだ際や、その反動で運転席の背もたれに押し付けられた際、左腕を車内のどこかに打ち付けるなり、左腕の肘関節が急激に過屈曲するなりした可能性が十分にある、としました。

原審が重視した本人尋問での供述については、本件事故による衝撃時の衝撃は一瞬のことで、しかも、原告は体全体に衝撃を受けていたものであることからすれば、本件事故から5年以上経過した尋問の時点で明確に供述できなかったとしてもやむを得ないので、上記可能性が否定されることはないとしました。

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